2026年5月20日掲載
「個人の携帯を仕事で使わせ続けて問題ないのだろうか」
「従業員から不満が出ているが、どう対応すべきかわからない」
と悩んでいませんか。
業務上の連絡を個人のスマートフォンで賄う運用は、多く見受けられます。一方で、従業員側の「公私の区別をつけたい」という反発を招き、頭を抱えている担当者さまも数多くいらっしゃるはずです。
この記事では、社用携帯を導入していない企業が抱えやすいリスクと、導入・運用を検討する際の判断基準を詳しく解説します。
読み終わる頃には、自社に合った対応の方向性が見えてきます。

会社が業務用の携帯電話を必ず支給しなければならないという法律はありません。したがって、社用携帯がないこと自体は違法ではありません。
業務に必要な端末を会社が用意するか、従業員のものを利用するかは、基本的には会社の判断に任されています。
とくに中小企業やスタートアップでは、個人の携帯電話を業務利用する「BYOD(Bring Your Own Device)」という運用を採用しているケースも見られます。ただし、注意すべき点は費用の負担です。業務で発生した通信費を従業員に全額負担させると、トラブルの原因となります。
法律上は、「業務に必要な費用」は会社が負担するのが原則とされています。そのため、ルールがないままBYODを運用すると、従業員との関係に影響が出るだけでなく、労務トラブルにつながる可能性もあります。
無条件に従業員の端末を業務利用させてよいわけではない点に注意が必要です。
従業員の個人携帯を業務で使用する場合は、就業規則や雇用契約書にその旨を明記する必要があります。
労働基準法では、従業員に費用を負担させる場合、その内容を就業規則に記載することを求めています。
具体的には、「個人の携帯電話を業務に使用すること」や「通信費の負担方法(手当の支給など)」を定め、従業員に周知し、合意を得ることが必要です。
以下の表は、就業規則や規定に盛り込むべき主な項目を整理したものです。これらがあいまいなまま運用すると、労務トラブルのリスクが高まります。
このように、単に「支給しない」という運用ではなく、ルールを整備することが、会社を守るうえでも重要です。
| 項目 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 業務利用の範囲 | どの程度の頻度、用途で個人携帯を使用するか | 業務範囲の明確化 |
| 費用負担のルール | 通信費の一部補助や定額手当の有無 退職時における未精算費用の扱い |
金銭的トラブルの防止 |
| セキュリティ要件 | パスワード設定やOSアップデートの義務化 | 情報漏洩リスクの低減 |
| 禁止事項 | 業務データの私的クラウドへの保存禁止など | データの不正流出防止 |
| 事故時の責任 | 紛失や破損時の責任所在と補償内容 | トラブル時の対応明確化 |
このように、単に「支給しない」という運用を続けるだけでなく、ルールを整備することが会社を守るためにも重要です。

企業側が「コスト削減」や「利便性」と考えていても、従業員側は個人携帯の業務利用に対して強いストレスを感じていることがあります。ここでは、従業員が抱える代表的な3つの不満について解説します。
従業員にとって大きな負担の一つは、プライベート番号を顧客や取引先に伝えなければならない点です。
プライベートの電話番号は重要な個人情報であり、一度知られると、退職後も連絡が続くなどのトラブルにつながる可能性があります。
また、LINEなどのメッセージアプリを業務で利用する場合も同様です。
プライベートのアカウントを業務に使用することで、私的な連絡との切り分けが難しくなるケースもあります。
このような状況は、業務への集中を妨げるだけでなく、従業員の負担につながる場合があります。
金銭的な負担も不満につながる要因です。
定額の通話プランやデータ通信プランを利用している場合でも、業務での利用が増えるほど、従業員の負担も大きくなります。
会社が「携帯手当」として一定額を支給している場合でも、実際の利用額と差が生じることがあります。
また、通話明細の提出や業務分の精算作業が負担となるケースもあります。
こうした状況が続くと、不満が蓄積しやすくなる点にも注意が必要です。
個人の携帯電話を業務で使用していると、休日や退勤後、休暇中であっても顧客や上司から連絡が入ることがあります。
社用携帯であれば電源を切るなどの対応が可能ですが、個人携帯ではそれが難しい場合があります。
その結果、業務時間外でも連絡を意識する状態が続き、休みにくいと感じるケースもあります。
このような環境は、働きやすさの面で課題と受け取られる可能性があります。
従業員の負担を軽減するためにも、連絡手段や運用ルールを見直すことが重要です。
従業員の不満を招くだけでなく、社用携帯がない状態を放置することは、会社にとっても経営リスクを抱えることにつながります。ここでは、特に注意すべき3つのリスクについて解説します。
最も危険なのが情報セキュリティのリスクです。個人の携帯電話には、取引先の電話番号やメールアドレス、LINEの履歴など、重要な顧客情報が蓄積されていきます。従業員が退職する際、社用携帯であれば端末ごと回収することで情報を確実に会社の管理下に戻せますが、個人携帯の場合はデータの消去を強制することが困難です。
その結果、顧客情報を保持したまま競合他社へ転職したり、独立したりするリスクにつながる可能性があります。
また、端末の紛失時には情報漏えいが発生するおそれもあります。
個人情報保護の観点からも、顧客データが会社の管理外で扱われる状態は、情報管理上の課題となります。
会社が許可していないアプリやサービスを業務で使用する「シャドーIT」は、注意が必要な問題です。
個人携帯では従業員が自由にアプリをインストールできるため、セキュリティレベルの低いアプリやマルウェアを含むアプリが端末に入り込む可能性があります。
その端末で社内ネットワークにアクセスしたり、業務データを扱ったりすると、ウイルスが社内システムに影響を及ぼす可能性があります。また、業務データを個人のクラウドに保存している場合、そのアカウントが不正アクセスされれば機密情報が外部に流出してしまいます。個人の端末環境は会社側で管理しにくく、セキュリティの穴となりやすいのです。
こうしたリスクについて、多くの企業がまだ十分に意識を向けていない状況です。
従業員30名以下の企業を対象とした調査(ソフトバンク、2025年3月)によると、従業員に端末を貸与している企業は2割以下にとどまっています。
一方で、担当者に具体的な懸念を聞くと、「端末紛失時の情報漏えい(48%)」「ウイルス感染(41%)」「メールアドレスや会員IDの流出(41%)」が上位に挙げられています。
「これまで問題が起きていないから大丈夫」という認識が、リスクを見えにくくしている可能性があります。
労務管理の面でも注意が必要です。個人携帯で業務連絡を行っていると、会社が把握していない時間帯に業務が行われる可能性があります。
例えば、帰宅後や休日に顧客対応をしていても、会社側で正確に把握できません。これが常態化すると、未払い残業代の問題や、長時間労働による健康被害が発生した際の安全配慮義務違反を問われることになります。
以下の表は、社用携帯がないことで発生しやすい経営リスクと、その影響を整理したものです。
| リスク分類 | 具体的な事象 | 経営への影響度 |
|---|---|---|
| 情報漏えい | 端末紛失、退職時の持ち出し | 損害賠償、社会的信用の失墜 |
| セキュリティ | ウイルス感染、不正アプリ利用 | システム停止、データ消失 |
| 労務管理 | 隠れ残業、休日対応の常態化 | 未払い賃金請求、労働基準監督署の指導 |
| コンプライアンス | 私的利用と業務利用の混在 | ガバナンス欠如の指摘、内部統制の不備 |
これらのリスクは、企業の存続に影響を及ぼす可能性があります。コスト削減のつもりが、逆に想定以上の損失を招く恐れがあることを認識しておく必要があります。

リスクを回避し、健全な運営を行うために社用携帯を導入することは、多くのメリットをもたらします。ここでは、導入によって得られる具体的な効果について解説します。
社用携帯を導入する主なメリットの一つは、セキュリティを会社側でコントロールできる点です。MDM(モバイルデバイス管理)というツールを導入すれば、会社側で一括してパスワードポリシーを設定したり、アプリのインストールを制限したりすることが可能です。万が一紛失した場合でも、管理者が遠隔操作で端末をロックしたり、データを消去したりすることができます。
また、退職時には端末を返却させるだけで、業務に関する情報を管理下に戻しやすくなります。これにより、顧客リストの持ち出しや情報漏洩のリスクを抑えることが可能です。セキュリティ対策に取り組んでいることを示すことは、取引先からの信頼向上にもつながります。
社用携帯があれば、従業員は物理的に仕事とプライベートを分けることができます。業務時間中は社用携帯を持ち歩き、退勤時や休日は電源を切る、あるいは会社に置いておくといった運用が可能になります。これにより、従業員は「いつ連絡が来るかわからない」というストレスから解放され、しっかりと休息をとることができます。
メリハリのある働き方は、従業員の働きやすさの向上や離職防止につながる場合があります。また、個人の番号を教える必要がなくなるため、プライバシー侵害への不安も解消されます。仕事専用の番号やLINEWORKSなどのビジネスチャットツールを使うことで、業務に集中できる環境が整います。
社用携帯を法人契約することで、通信コストを管理しやすくなります。個人携帯の利用料を経費精算する場合、毎月明細を確認して業務利用分を計算する手間が発生しますが、法人契約であれば請求をまとめて確認できるため、経理処理の負担軽減につながります。
また、法人限定のプランを活用することで、通話料を定額にしたり、グループ間の通話を無料にしたりと、全体の通信費の削減(最適化)につながります。
また、法人限定プランを活用すれば、通話料の定額化やグループ間通話の無料化だけでなく、従業員の立替精算や手当支給にかかる手間と費用も含め、全体の通信費削減につながります。
社用携帯の導入・維持にはコストがかかる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、工夫次第でコストを抑えて導入することが可能です。ここでは、予算に合わせた3つの導入パターンを紹介します。
法人契約では、複数回線をまとめて契約することで適用される「法人割引」を活用するのが一般的です。これにより、1台あたりの月額料金を個人契約よりも抑えた運用が可能になります。また、データ容量を無駄なく管理できるプランを選ぶことで、会社全体の通信費を最適化できます。
端末代金についても、業務内容によっては、高価な最新機種でなくても対応できる場合があります。ビジネスシーンでは、防水・防塵や耐衝撃性に優れ、電話やカメラといった基本機能が充実した「エントリーモデル」のAndroid端末が選ばれるケースがあります。こうしたコストパフォーマンスの高い端末を法人専用価格で導入すれば、比較的低コストで運用できるケースもあります。まずは自社の利用状況に合わせた見積もりを取り、比較しながら検討することが重要です。
【「社用携帯がない会社」からの新規導入にも!ワイモバイルの法人携帯】
「コスト負担がネックとなり、現状は社用携帯がない会社」でも、コストを抑えながら導入・運用しやすい選択肢の一つです。
ワイモバイルなら、ソフトバンクの高品質な自社回線を利用できるため、ビジネスシーンでも通信品質の面でも利用しやすい環境が整っています。その上で、大手キャリアのメインブランドと比べてコストを抑えやすい場合があるため、初めて社用携帯を導入する企業様や、個人のスマホを業務利用(BYOD)していてセキュリティや経費精算に課題を感じている企業様に最適です。
端末代と通信費は手ごろな価格帯なので、社用携帯の新規導入へ向けて、まずはワイモバイルでどれくらいコストを抑えられるか、詳細はワイモバイル法人オンラインストアで確認できます。
「端末を支給するほどの予算はない」「端末を支給するほどの予算はない」「まずは小規模から始めたい」と感じている場合は、BYODを前提とした公私分計サービスを検討する方法もあります。これは、個人のスマートフォンに専用のアプリを入れることで、業務用の「050」から始まる電話番号を付与できるサービスです。
この仕組みを利用することで、従業員は普段使っている端末をそのまま活用しながら、プライベート番号とは分けて業務連絡を行うことは可能になります。通話料は会社に一括請求されるため、従業員の費用負担や精算の手間を減らしやすい点も特長です。 端末を新たに購入する必要がなく、比較的低コストで導入しやすいため、「まずは運用ルールを整えたい」「BYODの課題を減らしたい」「プライベート番号を業務利用に使いたくない」といった場合の選択肢の一つになります。
初期費用を抑える手段として、レンタルサービスの利用も有効な選択肢です。「端末の管理にまで手が回らない」という場合にも、端末のレンタルサービスが管理負担の軽減につながる場合があります。ワイモバイルのレンタルサービスは、単なる端末の貸し出しにとどまらず、管理者の業務を代行する運用を支援するサポート体制が用意されています。
「初期設定や故障対応、社員への説明に追われたくない」という担当者の方は、資産として端末を持つのではなく、運用サポートが含まれるレンタルサービスを検討することで、本来の業務に集中できる環境を整えられます。
【関連記事】従業員数名の会社に社用携帯は必要?購入より「レンタル」がおすすめな理由|ビジネスブログ|ワイモバイル(Y!mobile)法人/ビジネス向け
どの方法を採用すべきかは、会社の規模や業務内容によって異なります。最適な選択をするためには、「業務でどれくらい携帯電話を使うか」と「扱う情報の重要度」の2つの観点で考えることが大切です。
以下の表を参考に、自社の状況に当てはめて検討してみてください。
| 運用方法 | 向いている企業・部署 | コスト感 | セキュリティ |
|---|---|---|---|
| 法人携帯支給 | 営業職など外出や通話が多い。機密情報を扱う機会が多い。 | 中〜高 | 高 |
| BYODツール(050アプリ) | 内勤メインだが時々電話が必要。端末購入費をかけたくない。 | 低 | 中 |
| 手当支給(現状維持) | 通話がほとんどない。機密情報は扱わない。 | 低 | 低 |
顧客情報を多く扱う営業担当者や、現場でのやり取りが多い部署には、セキュリティと利便性を最優先して「法人携帯」を支給を検討することが適しています。一方で、バックオフィス業務でたまにしか電話を使わない場合や、初期費用をどうしても出せない場合は、アプリによる「BYODツール」の導入も一つの方法です。現状維持(手当のみ)はリスクにつながる可能性があるため、最低でもBYODツールの導入を検討を進める方法もあります。しかし、中長期的な視点で「情報漏洩の防止」と「従業員のエンゲージメント向上」を両立させるのであれば、会社が端末を100%管理できる法人携帯の支給が有効な選択肢の一つと考えられます。
リスクを放置せず、会社と従業員の双方が納得できる環境を整えることが、企業の成長と信頼に繋がります。
社用携帯がない企業様も、ワイモバイルならビジネス端末の導入方法を比較検討できます。法人オンラインストアなら月々の費用を最短1分でお見積もりできます。iPhoneやガラケーなど、ラインナップや料金プランの詳細はワイモバイル法人オンラインストアでご覧いただけます。
Webで完結、電話不要!
まずは1分で終わるオンライン見積もりを試す