2026年7月28日掲載
「BYOD(私物端末の業務利用)を導入したいものの、MDMまで導入すべきか判断できない」「小規模な会社でもMDMは必要なのだろうか」と悩む企業担当者は少なくありません。
BYODは端末購入コストの削減や柔軟な働き方につながる一方で、情報漏えいや端末紛失などのリスクも伴います。こうしたリスクを適切に管理するために活用されるのがMDM(モバイルデバイス管理)です。
本記事では、「自社にはMDMが必要なのか」を判断するポイントや、BYOD運用でよくある失敗例、安全に運用するためのポイントを解説します。
BYODを導入する際は、企業データをどのように管理するかが重要になります。
例えば次のようなケースは、多くの企業で起こり得ます。
これらのリスクは、社員のモラルだけに頼る運用では防ぎきれません。
そのため、多くの企業では利用ルール(BYODポリシー)と、端末管理を行うMDMを組み合わせて運用しています。
MDMの必要性は、企業規模だけではなく、取り扱う情報や働き方によって異なります。
まずは、自社の業務環境がどの程度の管理を必要としているか確認してみましょう。
| チェック項目 | 該当 |
|---|---|
| 社外からメールや写真保存サービスやメッセージアプリを利用する | |
| 顧客情報や個人情報を取り扱う | |
| 私物スマートフォンを利用する | |
| 退職時のデータ削除に不安がある | |
| 情報システム担当者が少ない |
3項目以上当てはまる場合は、MDMの導入を検討する価値があります。
複数のリスクが重なるほど、情報漏えいや管理負担が大きくなるため、端末を一元管理できる仕組みの導入が有効です。
特に営業活動やテレワークが多い企業では、仕組みがあることで管理負担の軽減にもつながります。
社員が退職した後も、私物スマートフォンに業務メールや社内資料が保存されたままになっていたというケースです。
MDMには、業務データのみを削除できる機能を備えた製品もあり、退職時のデータ管理を効率化し、情報漏えいリスクの低減に役立ちます。
営業先でスマートフォンを紛失したものの、遠隔でロックやデータ消去ができず、情報漏えいにつながる恐れが生じるケースです。
MDMには、端末のロックやデータ消去を遠隔で実行できる機能を備えたサービスがあります。
「業務利用は自由」とした結果、個人向けクラウドストレージやSNSで業務データを共有してしまうケースもあります。
このようなリスクを防ぐためには、利用ルールを文書化し、社員へ周知することが重要です。
MDMは便利な管理ツールですが、すべてのセキュリティ対策を担うわけではありません。
例えば次のようなリスクは、運用ルールや社員教育も欠かせません。
| MDMで対応しにくいこと | 必要な対策 |
|---|---|
| パスワードの使い回し | 社内ルール・教育 |
| フィッシング詐欺 | セキュリティ教育 |
| 誤送信 | 業務フローの見直し |
| シャドーIT | 利用ルールの整備 |
「MDMを導入したから安心」ではなく、運用ルールとの組み合わせが重要です。
特に専任の情報システム担当者がいない企業では、大企業と同じような高度なセキュリティ対策を最初から導入する必要はありません。
まずは次の3点を整えることから始めるとよいでしょう。
対象者や利用範囲、紛失時の対応などを明確にします。
端末の設定やセキュリティポリシーを一元管理できる環境を整えます。
ルールを作るだけでなく、定期的な教育や見直しを行うことで、運用の定着につながります。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| STEP1 | 導入目的を整理する |
| STEP2 | 対象社員・対象端末を決める |
| STEP3 | BYODポリシーを作成する |
| STEP4 | MDMを導入・設定する MDMを選定する際は、導入前に対応OSや利用したい機能を確認しておくことも重要です※。 |
| STEP5 | 運用開始後も定期的に見直す |
導入後も、OSアップデートや利用状況を確認しながら運用を改善していきます。
BYODは柔軟な働き方を実現できる一方、運用ルールの整備や管理体制が重要です。そのため運用負荷や管理コストを考慮した結果、法人スマホを選択する企業も少なくありません。
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