2026年7月31日掲載
仕事で使う携帯電話やスマホの料金は、基本的に「通信費」として処理します。ただし、スマホ本体の購入費は金額や内容によって勘定科目が異なるため注意が必要です。
また、個人事業主がプライベート用スマホを仕事でも使用している場合は、「家事按分」によって事業で使用した分だけを経費に計上します。
この記事では、携帯代の勘定科目をケース別に整理し、仕訳例や家事按分の考え方までわかりやすく解説します。
免責事項:本記事は一般的な会計・税務上の考え方を紹介したものです。具体的な会計処理や税務判断は、事業形態や適用制度によって異なる場合があります。実際の処理については、税理士などの専門家へご相談ください。
携帯電話の毎月の基本料金や通話料、データ通信料などの利用料金は、基本的に「通信費」の勘定科目で処理するのが一般的です。ただし、スマホ本体の購入費やキャリア決済の利用分などは、内容や金額によって勘定科目が異なります。そのため、請求書に記載された費用をまとめて通信費として処理するのではなく、それぞれの内容を確認することが大切です。
まずは、携帯代に関連する主な費用と勘定科目の考え方を確認しましょう。
以下の表は、携帯電話に関連する主な費用と、一般的な勘定科目をまとめたものです。
| 費用の内容 | 一般的な勘定科目 | ポイント |
|---|---|---|
| 月額利用料(基本料・通話料) | 通信費 | 毎月の利用料金は通信費で処理するのが一般的 |
| データ通信料・テザリング | 通信費 | 通信サービスの利用料金として計上 |
| キャリア決済(アプリ・電子書籍など) | 購入内容による | 通信費ではなく、購入した内容に応じて勘定科目を判断 |
| 契約事務手数料 | 支払手数料など | 少額の場合は通信費として処理するケースもある |
| 解約金・違約金 | 支払手数料・雑費など | 内容や会計方針によって異なる |
| 端末レンタル料 | 賃借料など | 契約内容によっては通信費やリース料となる場合もある |
| スマホ本体代 | 金額や会計処理による | 消耗品費や固定資産(工具器具備品など)になる場合がある |
携帯電話にかかる費用の多くは「通信費」として処理しますが、契約時の手数料や解約金、修理代などは、内容に応じて別の勘定科目になる場合があります。
新規契約や機種変更時に発生する契約事務手数料は、「支払手数料」として処理するのが一般的です。
一方で、通信サービスの利用に付随する少額の費用として、毎月の通信料とまとめて「通信費」で処理している事業者もあります。
重要なのは、一度決めた処理方法を継続して適用することです。
携帯電話の契約を途中で解約した際に発生する解約金や違約金は、支払いの内容に応じて勘定科目を判断します。
例えば、契約解除に伴う手数料として扱う場合は「支払手数料」や「雑費」とするケースがあります。
どちらの勘定科目を使用する場合でも、自社の会計方針に沿って継続的に処理することが大切です。
スマホやタブレットを購入せずレンタルする場合は、「賃借料」として処理するのが一般的です。ただし、契約内容によって「リース料」としたり、通信サービスと端末レンタルが一体となった料金プランでは「通信費」としてまとめて処理するケースもあります。
業務で使用しているスマホや携帯電話の修理代は、「修繕費」として処理するのが一般的です。
例えば、画面割れの修理やバッテリー交換、故障した部品の交換など、端末の機能を元の状態に戻すための費用は、修繕費に計上します。
一方で、保護フィルムや充電ケーブルなどの消耗品を購入した場合は、「消耗品費」として処理するケースが一般的です。また、修理ではなく端末を新たに購入した場合は、購入金額などに応じて「消耗品費」や「工具器具備品」といった勘定科目で処理します。
修理費用を計上する際は、修理内容が確認できる領収書や請求書を保管しておくと、経理処理や税務上の確認にも役立ちます。
| 費用の内容 | 一般的な勘定科目 | 補足 |
|---|---|---|
| 画面修理・バッテリー交換・部品交換 | 修繕費 | 元の状態に戻すための修理費用 |
| 保護フィルム・充電ケーブルなど | 消耗品費 | 少額の周辺機器や消耗品 |
| 端末の買い替え | 消耗品費・工具器具備品など | 購入金額や会計処理によって異なる |
端末代は、購入金額や適用できる制度などによって、勘定科目や会計処理が変わります。まずは、一般的な考え方を確認しましょう。
| 購入金額(1台あたり) | 一般的な勘定科目 | 処理方法 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 消耗品費 | 使い始めた年に経費計上するのが一般的 |
| 10万円以上 | 工具器具備品 | 固定資産として計上し、減価償却を行うのが一般的 |
一般的には、取得価額が10万円未満のスマホは「消耗品費」として処理することが多く、10万円以上の場合は固定資産(工具器具備品など)として扱うのが基本です。ただし、適用できる税制や会計処理によって扱いが異なる場合があります。
スマホ本体の購入金額が一定額未満の場合は、「消耗品費」として使用を開始した年度に経費計上できるケースが一般的です。
例えば、9万円のスマホを購入した場合は、条件を満たせば使用を開始した年の経費として一括で計上できます。
なお、購入金額を判断する基準は、消費税の経理方法によって税込価格または税抜価格となるため、自社の会計処理方法を確認しましょう。
スマホ本体の購入金額が10万円以上になると、「工具器具備品」などの固定資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却を行うのが一般的です。
減価償却では、購入費用を数年に分けて経費計上します。そのため、使い始めた年に全額を経費にできない点が、消耗品費との大きな違いです。
なお、個人事業主や中小企業が利用できる特例制度(少額減価償却資産の特例)が適用できる場合もあります。詳しい適用条件は、最新の税制や顧問税理士などへ確認すると安心です。
青色申告をしている個人事業主や一定の中小企業では、少額減価償却資産の特例を利用できる場合があります。
この特例を利用すると、一定額までの固定資産を購入した年度に一括で経費計上できるケースがあります。
適用には対象者や年間の上限額などの条件があるため、利用する際は最新の制度を確認しましょう。
※制度内容は税制改正により変更されることがあります。
スマホを24回払いや36回払いなどの分割払いで購入しても、会計処理は本体価格の総額で判断します。
例えば、12万円のスマホを24回払いで購入した場合は、購入時に12万円全額を計上し、毎月の支払いは未払金(未払金・未払費用など会計方針による)の返済として処理します。
1.事業に使い始めた時(総額を計上)
端末代の全額をまず計上します。支払っていない分は「未払金」とします。
| タイミング | 借方(左側) | 貸方(右側) | 摘要 |
|---|---|---|---|
| 手元に届いて使い始めた日(供用開始日) | 工具器具備品 120,000 |
未払金 120,000 |
スマホ端末代(特例適用) |
2.毎月の引き落とし時(未払金の解消)
毎月の支払額(5,000円)は経費ではなく、未払金の返済として処理します。
| タイミング | 借方(左側) | 貸方(右側) | 摘要 |
|---|---|---|---|
| 毎月の支払時 | 未払金 5,000 |
普通預金 5,000 |
端末分割払い分 |
家事按分とは、事業とプライベートの両方で使用している費用を、事業で使用した割合に応じて経費へ振り分けることです。
例えば、月額利用料が10,000円で、事業利用が40%の場合は次のようになります。
残りの6,000円は私的な支出となるため、経費にはできません。
事業利用分は「通信費」として計上し、私的利用分は「事業主貸」として処理します。「事業主貸」は、事業とは関係のない個人的な支出を記録するための勘定科目です。
例えば、月額利用料10,000円のうち40%を事業利用としている場合の仕訳例は以下のとおりです。
| 項目 | 借方(左側) | 貸方(右側) | 金額の例 |
|---|---|---|---|
| 事業利用分 | 通信費 | 普通預金 | 4,000円 |
| 私的利用分 | 事業主貸 | 普通預金 | 6,000円 |
家事按分に決まった割合はありません。
50%や70%といった目安があるわけではなく、実際の利用状況に基づいて客観的に説明できる割合を設定することが重要です。
携帯料金の支払いにポイントを利用した場合は、ポイントの種類や取得経緯によって会計処理が異なることがあります。
一般的には、事業で取得したポイントを利用した場合と、個人で貯めたポイントを利用した場合では考え方が異なるため、処理方法に迷う場合は会計ソフトのガイドや税理士へ確認すると安心です。
以下は、請求額10,000円のうち500円分をポイントで支払った場合の仕訳例です。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 通信費 | 10,000 | 普通預金 | 9,500 | 携帯代 |
| 雑収入 | 500 | ポイント利用分 |
このように処理することで、本来かかった通信コストを正確に把握でき、消費税の計算も正しく行えます。ポイントの性質によっては税務判断が分かれることもあるため、金額が大きい場合は税理士に相談しましょう。
携帯代を経費として計上する際は、勘定科目だけでなく、請求書の保存や契約名義にも注意が必要です。
誤った処理をすると、経費として認められなかったり、税務上の確認が必要になったりする場合があります。ここでは、経理処理で押さえておきたい注意点を紹介します。

携帯代を経費として計上する場合は、請求書や領収書などの証憑を保管しておきましょう。
特に消費税の仕入税額控除を受ける場合は、適格請求書(インボイス)の保存が必要となるケースがあります。
請求書は、携帯電話会社のマイページからダウンロードできる場合もあるため、必要に応じて保存しておくと安心です。
※保存が必要な書類は、事業者の状況や適用制度によって異なります。
携帯代を経費として計上する場合は、事業で使用していることに加え、契約内容や支払状況が説明できることも大切です。
家族名義の携帯電話を仕事で利用している場合でも、事業で使用している実態があり、事業主が費用を負担していることを説明できれば、経費として認められる可能性があります。
ただし、税務上の確認をスムーズにするためにも、可能であれば契約名義を事業主本人または法人名義にしておくと安心です。
携帯代は毎月発生する費用だからこそ、一度ルールを決めておくことで、日々の経理業務をスムーズに進められます。
また、業務用の携帯電話を導入することで、家事按分や請求管理の負担を軽減し、経理業務の効率化につながる場合があります。事業に合った携帯電話の導入をご検討の際は、ぜひワイモバイル法人オンラインストアをご覧ください。
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