2026年8月6日掲載
確定申告に向けて帳簿をつけていると、「携帯代はどの勘定科目で処理すればよいのだろう」「プライベートでも使っているけれど、どこまで経費にできるのだろう」 と迷うことはありませんか。
携帯代は業務で利用した分を経費として計上できますが、確定申告では家事按分や勘定科目、仕訳方法などを正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、携帯代を経費にする基本的な考え方に加え、確定申告時の仕訳例や勘定科目、必要書類、提出前に確認したいポイントを紹介します。
携帯代を経費として計上するために、まずは事前準備から確定申告までの流れを押さえておきましょう。
この後は、それぞれの手順やポイントを順番に紹介します。
確定申告前に必要な書類や情報を整理し、会計ソフトへの入力や帳簿作成をスムーズに進められるよう準備しておきましょう。
| 主に確認するもの | 内容 |
|---|---|
| 請求書 | 毎月の利用料金や内訳を確認します。 |
| 利用明細 | 通話料やデータ通信量などを確認します。 |
| 領収書 | 支払いを証明する書類として保管します。 |
| 家事按分の割合 | 業務利用分を事前に整理しておきます。 |
| 端末代 | 本体価格に応じて経費処理の方法を確認します。 |
必要な書類をまとめておくことで、確定申告の直前になって慌てずに済みます。
個人事業主の携帯代は、事業のために利用した分を経費として計上できます。ただし、利用方法によって処理方法が異なります。まずは、ご自身がどちらに当てはまるか確認しましょう。
仕事専用で利用している場合は、利用料金を経費として計上できるため、家事按分は不要です。
仕事とプライベートで同じ携帯電話を利用している場合は、事業で利用した割合だけを経費として計上します。そのため、「家事按分」を行い、業務利用分と私的利用分を分ける必要があります。
ここからは、仕事とプライベートで兼用している場合に必要な「家事按分」の考え方や割合の決め方を解説します。
仕事とプライベートで兼用している携帯代は、「仕事で使った分」と「プライベートで使った分」に分けて経費を計算します。この考え方を「家事按分(かじあんぶん)」と呼びます。
家事按分の割合に一律の基準はありません。利用状況に応じて、説明できる根拠をもとに設定しましょう。
家事按分では、「仕事で使った分」を説明できる根拠をもとに割合を決めます。利用時間や利用頻度など、自分の利用状況に合わせて設定し、メモや利用記録を残しておくと、後から確認しやすくなります。
家事按分の具体的な考え方や計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
次は、家事按分した携帯代を確定申告でどの勘定科目で処理するのかを紹介します。
家事按分の割合は、利用時間や利用頻度などの利用状況をもとに設定します。利用状況を記録しておくと、割合を決める根拠として役立ちます。
1日のうち、仕事でスマートフォンを利用した時間をもとに割合を決めます。
通話履歴や利用履歴などを参考に、仕事で利用した割合を確認します。
家事按分では、利用状況を後から説明できるよう、メモや利用記録を残しておきましょう。
家事按分の割合が決まったら、次は確定申告で使用する勘定科目を確認しましょう。
家事按分の割合が決まったら、次は確定申告で使用する勘定科目を確認しましょう。携帯代は、月額料金と端末代で勘定科目が異なります。ここでは、基本的な考え方を紹介します。
毎月支払う基本料金や通話料、データ通信料などは、一般的に「通信費」として処理します。
仕事とプライベートで兼用している場合は、家事按分した業務利用分のみを「通信費」として計上します。
スマートフォン本体は、取得価額によって勘定科目や処理方法が異なります。以下は一般的な目安です。
| 取得価額(1台あたり) | 勘定科目(代表例) | 処理の特徴 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 消耗品費 | 購入した年に全額を経費計上 |
| 10万円以上 | 工具器具備品 | 資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却 |
勘定科目の使い分けや端末代の詳しい処理方法については、こちらの記事をご覧ください。
次は、10万円以上の端末代の処理方法や、青色申告で利用できる特例を紹介します。
携帯代の仕訳方法は、事業用と個人用のどちらの口座・カードで支払っているかによって異なります。まずは、自分に当てはまるケースを確認しましょう。
次は、事業用口座と個人口座、それぞれの具体的な仕訳例を紹介します。支払い方法ごとの違いを確認しながら、実際の処理方法を見ていきましょう。
事業用口座から支払った場合は、業務利用分を「通信費」、プライベート利用分を「事業主貸」として処理します。プライベート利用分は事業の経費ではないため、「事業主貸」を使用します。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 通信費 | 5,000 | 普通預金 | 10,000 | 携帯代(業務利用分50%) |
| 事業主貸 | 5,000 | 携帯代(プライベート利用分50%) |
このように仕訳することで、業務利用分だけを経費として計上できます。また、家事按分した割合も帳簿に反映されます。
個人口座や個人のクレジットカードで支払った場合は、事業にかかった費用だけを帳簿に記録します。個人のお金で事業の費用を立て替えたことになるため、「事業主借」を使用します。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 通信費 | 5,000 | 事業主借 | 5,000 | 携帯代(業務利用分50%) |
10万円以上のスマートフォンは、原則として購入した年に全額を経費計上せず、資産として処理します。ここでは、基本的な処理方法と利用できる特例を紹介します。
10万円以上のスマートフォンは、一般的には「工具器具備品」などの固定資産として計上し、法定耐用年数に応じて減価償却します。
通常、10万円以上のスマートフォンは固定資産として減価償却しますが、青色申告をしている場合は一定の要件のもとで一括経費計上できる特例があります。 この「少額減価償却資産の特例」は2026年4月の税制改正により、対象となる取得価額が1商品あたり40万円未満へ引き上げられました。条件を満たせば、購入した年に一括で経費計上できます。
スマホの減価償却や「少額減価償却資産の特例」についてはこちらの記事をご覧ください。

携帯代を経費として計上した場合は、請求書や利用明細などの書類を保管しておきましょう。保存しておきたい書類を以下にまとめました。
原則として、携帯電話会社が発行する請求書や領収書を保管します。紙の請求書が発行されない場合は、Web上のマイページで請求金額や利用明細を確認できる場合は、必要に応じてPDFなどで保存しておくと安心です。
請求書が用意できない場合は、クレジットカードの利用明細を支払いの記録として活用できることがあります。ただし、利用明細だけでは料金の内訳は確認できません。可能であれば、携帯電話会社の請求書や利用明細もあわせて保存しておきましょう。
携帯代の経費処理でよくある質問をまとめました。確定申告時に迷いやすいポイントを確認しましょう。
家族名義の携帯電話は経費にできる?
事業主本人が業務で利用し、料金を負担している場合は、経費として計上できる可能性があります。可能であれば、事業主本人名義で契約しておくと 経費処理もしやすくなります。
契約事務手数料の扱いは?
契約事務手数料は、一般的に「通信費」として処理します。「支払手数料」として処理する場合もありますが、大切なのは継続して同じ勘定科目を使用することです。
家事按分は毎年同じ割合でよいですか?
利用状況が変わった場合は、割合も見直しましょう。変更した場合も、利用状況を説明できる記録を残しておくと安心です。
個人のスマートフォンを仕事でも利用していると、家事按分や仕訳などの経費処理に手間がかかることがあります。こうした負担を減らす方法の一つが、仕事用の携帯電話を導入することです。
ワイモバイルでは、個人事業主の方も利用できるビジネス向けプランをご用意しています。仕事用携帯をご検討中の方は、以下のページをご覧ください。
サービスの詳細は以下のリンクからご確認ください。
この記事を参考に、携帯代の経費処理や確定申告を進めてみましょう。経費管理をよりシンプルにしたい方は、仕事用携帯という選択肢も検討してみてください。
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